○高取町太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例
令和4年6月17日
条例第13号
(目的)
第1条 この条例は、太陽光発電設備の設置が災害発生の防止、景観との調和、優良な農地の確保その他の自然環境及び生活環境の保全に及ぼす影響に鑑み、太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関し必要な事項を定めることにより、町民の安全な生活と本町の良好な環境に寄与することを目的とする。
(1) 太陽光発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第2項の再生可能エネルギー発電設備であって、同条第3項第1号の太陽光を再生可能エネルギー源とするもの(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物に設置するものを除く。)をいう。
(2) 事業 太陽光発電設備を設置して発電を行う事業(当該設備の設置に伴う木竹の伐採及び切土、盛土、埋立て等の造成工事を含む。)をいう。
(3) 事業区域 事業の用に供する一団の土地(継続的又は一体的に事業を実施する土地を含む。)をいう。
(4) 事業者 事業を実施する者(契約により事業の実施を請け負う者を含む。)をいう。
(5) 地域住民等 事業区域の境界から50m以内の区域に存する土地の所有者、占有者若しくは管理者及び規則で定める関係団体を代表する者をいう。
(事業者の責務)
第3条 事業者は、事業の実施に当たりこの条例及び関係法令を遵守し、事業区域の地域住民等の理解を得るとともに、自然環境及び生活環境の保全に支障が生じないよう、常時安全かつ良好な状態を維持しなければならない。
2 事業者は、事業の実施に係る苦情、被害及び紛争が生じたときは、自らの責任と負担において解決に当たらなければならない。
(適用範囲)
第4条 この条例の規定は、太陽光発電設備を土地に自立して設置する事業について適用する。
(1) 砂防法(明治30年法律第29号)第2条の規定により指定された土地の区域
(2) 森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項の規定により指定された保安林
(3) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項に規定する地すべり防止区域
(4) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項に規定する急傾斜地崩壊危険区域
(5) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項に規定する土砂災害特別警戒区域
(6) 現に居住されている家屋から、半径50メートル以内の地域
(抑制区域)
第6条 町長は、次に掲げる事由により、太陽光発電設備の設置が望ましくないと認める区域(以下「抑制区域」という。)において、事業を実施しないよう事業者に協力を求めるものとする。
(1) 土砂災害その他自然災害の発生するおそれがあること。
(2) 地域を象徴する優れた景観として良好な状態が保たれていること。
(3) 歴史的又は郷土的な特色を有していること。
(4) 良好な営農条件を備え、農地としての利用が優先されること。
(5) 豊かな自然環境が保たれ、地域の貴重な資源として認められること。
(6) 良好な住宅・住環境が保たれていること。
2 前項に規定する抑制区域は、規則で定める。
(事前協議)
第7条 事業者は、第10条の規定による届出をしようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめ事業の計画について町長と協議しなければならない。
2 町長は、前項の規定による協議があったときは、事業者に必要な指導又は助言を行うものとする。
(事前協議終了の通知)
第8条 町長は、前条の規定による事前協議が整ったときは、事業者に対し当該協議が終了した旨を通知するものとする。この場合において、町長は生活環境の保全のために必要があると認めるときは、当該通知に意見を付することができる。
(届出)
第10条 事業者は、事業を実施しようとするときは、規則で定めるところにより、当該事業に着手しようとする日の60日前までに町長に届け出なければならない。
2 事業者は、前項の規定により届け出た事項に変更が生じたときは、規則で定めるところにより、町長に届け出なければならない。
(設置基準)
第11条 町長は、太陽光発電設備の設置基準として、次に掲げる事項を規則で定めるものとする。
(1) 災害発生の防止に関する事項
(2) 事業区域と周辺地域における自然環境及び生活環境の保全に関する事項
(3) 構造の安全性に関する事項
(4) 維持管理及び事業終了後の措置に関する事項
(5) その他町長が必要と認める事項
2 事業者は、抑制区域において事業を実施する場合は、前項の設置基準を遵守しなければならない。
(事業終了後の措置)
第12条 事業者は、事業を終了しようとするときは、規則で定めるところにより、町長に届け出なければならない。
2 事業者は、前項の規定による届出の後、速やかに太陽光発電設備を撤去し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)その他関係法令に従い、撤去により生じた廃棄物を適正に処理しなければならない。
3 事業者は、太陽光発電設備の維持管理並びに事業終了後の撤去及び廃棄物の処理に充てる費用を計画的な積立て等の方法により確保しなければならない。
(報告徴収及び立入検査)
第13条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対し必要な報告を求め、又は職員に事業者の事務所又は事業区域に立ち入らせ、当該事業に関する帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定による立ち入り又は検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立ち入り又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(命令)
第14条 町長は、第5条の規定に違反して事業を実施した事業者に対し、当該事業の停止を命じ、又は相当の期限を定めて、自然環境及び生活環境の保全のために必要な措置を講じるよう命ずることができる。
2 町長は、前項の規定による命令をしようとする場合は、規則で定めるところにより、あらかじめ当該事業者から意見を聴取しなければならない。ただし、事業者が意見の聴取に応じない場合は、これを行わないで命令をすることができる。
(指導、助言及び勧告)
第15条 町長は、事業者に対し、事業の適正な実施のために必要な指導又は助言を行うことができる。
2 町長は、事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該事業者に対し、相当の期限を定めて適切な措置を講じるよう勧告することができる。
(4) 前項の規定による指導に正当な理由なく従わないとき。
2 町長は、前項の規定による公表をしようとする場合は、規則で定めるところにより、あらかじめ当該事業者から意見を聴取しなければならない。ただし、事業者が意見の聴取に応じない場合は、これを行わないで公表をすることができる。
(国及び県への報告)
第17条 町長は、前条の規定による公表を行った場合は、当該公表の内容及び公表の事実を国及び県に報告するものとする。
(委任)
第18条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、町長が規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和4年6月17日から施行する。
3 施行日から60日を経過する日までの間に太陽光発電設備の事業に着手しようとする事業者に係る第10条第1項の規定の適用については、「当該事業に着手しようとする日の60日前」とあるのは、「速やかに」とする。
4 既設事業者は、施行日以後に事業計画の変更を行うときは、第10条第2項の規定の例により、町長に届け出なければならない。